夜空に咲く僕たちの願い
死んでしまった人に会えるなんて無茶な話だろ?
だから会いたいなんて思わない。
写真を見せようか?と以前母親に言われたけど「見たくない」と拒否をした。
それを見たところでどうかなる?
現実にいない人を見たってどうも思わないと思ったから。
「俊介?どうしたんだよ、ぼーっとしてさ」
目の前でひらひらと手を振る渓斗。
俺はハッと現実の世界に戻り「何でもない」と言った。
「今日絶対忘れんなよ?」
「うん!絶対忘れない!俊は?返事!」
隣でやけに張り切る瑠花。
俺は瑠花を見て「うん、分かった」と笑った。
なぁ、気づいているか?
俺の気持ち…。
「もうすっかり暗くなったね。ね!帰りアイス買っていこ!瑠花お小遣いもらったんだ!」
そう言ってピンクのランドセルからウサギのがま口を取り出して自慢気に見せる瑠花。
その姿を見て、とくんと胸が鳴った。
もうお気づきですか?
俺はたまらなく瑠花が好きなんです。