夜空に咲く僕たちの願い
ずっと前から好きだったんです。
小さい頃からいつも一緒で、遊ぶときも、どこか旅行するときも、近くにいたのは瑠花だった。
最初は家族のような感覚だったが、好きだと気付いたのは最近だ。
周りの友達が好きな人の話に華を咲かせているときだった。
あと…ある一人の友達が「森山瑠花はカワイイ」と言ったから。
それを聞いた俺は無性に腹が立って「瑠花は寝起き悪いよ」なんてつまらないことを言ってしまった記憶がある。
これはヤキモチだったのだ。
どうしてヤキモチを妬いたのか、と答えを導くと、その先には初めての感情があった。
それは…好き。
いつの間にか好きになっていた。
自己中心的で、口が悪くて、頼み事をするときだけ甘えて、口が軽い瑠花を俺は…
好きになっていた。
でもこの気持ちを伝えようとは思っていない。
だって今まで築き上げてきたものを壊す勇気なんてないから。
「ね!アイス食べたいからコンビニ行こ!」
視界に笑顔の瑠花が飛び込んできた。
俺は感情を表に出さないようにすぐに返事をする。
「え、あ…うん」
「なによ、俊。その返事は?」