夜空に咲く僕たちの願い


お前がいきなり視界に入ってくるからだろ!って言えたら楽なんだろうな。




「学校の帰りは寄り道したらダメんだぞ?遊ぶときは一回ランドセルを置いて…」




そう言うと瑠花はあからさまな態度をとった。



「あーもう!そんなの守らなくてもいいじゃん!瑠花は今食べたいの!一回帰ったら食べたくなくなるかもしれないもん。ね?渓斗?コンビニ行こ?」



瑠花は俺の隣を歩く渓斗に助けを求めた。
渓斗はあの天体観測の本を読みながら適当に相づちを打っている。
昔から渓斗はそういう奴なんだ。
興味ないことは適当に流して、自分が興味があることだけは熱心になる。
そんな渓斗といると何故か落ち着くんだ。



「瑠花がアイス買ってくれるならいいけど?俺早く家に帰って準備したいからさ。俊介、たぶん瑠花は今アイス食べないと気が済まないみたいだから何言ったって無駄だよ。早く帰るにはまず瑠花の機嫌を良くしなきゃ。」



何て大人な考え方。
ってことは俺が折れなきゃダメってことか。





< 13 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop