夜空に咲く僕たちの願い



この時の俺は自分で言うのは恥ずかしいけれどかっこ良かったと思う。


瑠花もそう思わなかった?




どうか…どうか―…
まだ雅也くんと会わないで。
俺が迎えに行くのを待っていて…




下駄箱のある場所に着くと、そこには雅也くんが立っていた。
壁にもたれ掛かって誰かと電話をしている。
少しだけ電話の内容が聞こえてきた。




「今学校に来てる?何で来たんだよ。昨日言っただろ?」




元カノからの電話だろう。
その時ピンときた。
もしかしたら時間を稼ぐために渓斗が元カノに「電話して」と言ったのかもしれない。
アイツ…頭良いからな。


俺はそんな雅也くんに隠れるように一年生の下駄箱に向かう。



「…何してんのよ、俊介」




「瑠花…!!」




目の前には驚いた表情の瑠花が立っていた。
なんて良いタイミング。
今なら連れ出せる。



俺は勢いよく瑠花の手を握り、引っ張った。




「瑠花!!雅也くんとこなんか行くな!!お前は俺んとこに来い!!」





やっと言えた言葉だった。
この言葉を言うのに何年かかっただろう。




だからさ、瑠花。
ずっと俺のそばにいてよ。






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