夜空に咲く僕たちの願い
手をはじめて繋いだ。
その感触はぷにぷにとした。
一緒に走り抜ける空気がふわふわした。
好きな人に触れただけでこんなにも世界が変わる。
今目の前に映る世界は夕日のオレンジ色ではなく、七色に輝いていた。
瑠花をどうしても雅也くんにはあげたくなかった。
だからこうしたのだと思う。
勝手にごめんね。
でも俺の気持ち気づいてよ。
グラウンドに広がる俺と瑠花の影。
その影が恋人同士に見えた。
それだけでちょっぴり幸せに思えたんだ。
「あ!渓斗!!帰るぞ!」
目の前に渓斗と雅也くんの元カノ百々花さんがいた。
百々花さんは携帯を握りしめ、走ってくる俺たちに驚いた表情を見せている。
やっぱり百々花が雅也くんに電話を掛けたのだど先ほどの場面と一致した。
渓斗は俺たちを見て嬉しそうに笑っていた。
「早く!行こ!見つからないうちに!!」
この時の俺はまるでゲームの中にいる主人公だった。