夜空に咲く僕たちの願い


「しょうがないなぁ…」




俺はため息を漏らして近くのコンビニまで足を運ぶ。
このコンビニからマンションまではそんなに遠くないし、バレないだろう。


スキップをしながら瑠花は俺の後をついてくる。
そのたびにウサギのキーホルダーが楽しそうに揺れる、揺れる。
冷えたクーラーボックスの中に存在するアイスクリーム。
ソフトクリーム、モナカ、棒アイス。
さぁどれにしよう?




「瑠花は…いちご!俊介は?」



「え!!俺もいちごにしようと思ったのに!」




俺が狙っていたのは瑠花と同じ、バニラアイスにいちごソースをコーティングしたアイスだ。最近発売されたアイス。
枠外に“新商品”と書かれている。
俺は新商品という言葉に弱いのだ。




「瑠花が先に言ったんだから俊が違うのにしてよ!瑠花は譲らないよ?」




「ちょっと待てよ!瑠花はいつもこっちのアイス食べてんじゃん!」




俺は瑠花がいつも食べている、新商品と同じ会社のアイスを指差した。
これはチョコソースがコーティングしてあるアイス。




「今日はいちごな気分なの!!」




「なんだそれ。残したらどうすんだよ!」




「そ…そのときは俊にあげる!」





おいおい、お前は女王様か。
そして俺は執事か。




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