夜空に咲く僕たちの願い


もしかしたら俺は明日死ぬかもしれない。
そう考えたらやり残したことに後悔すると思う。

だから言えるうちに言おうと思う。


瑠花に自分の気持ちを―…


瑠花が誰かのものになる前に―…



その日、俺は夢を見た。
世界の色はカラーで、みんな笑っていた。
ふわふわとした世界の中には俺と瑠花がいて、手を繋いで見つめ合っていた。


これは俺の望んだ世界なのかな。
すごく幸せだった。

ずっと続けばいいと思った。


でもなぜかな。
そう願っても神様は酷いことしかしてくれないんだ。




翌朝、体を起こすと何となく体が軽かった。
すがすがしい目覚めってこのことか、なんてね。



渓斗を起こしに行こうし、ドアを開けるとそこには渓斗がいた。




「お…はよ。びっくりした」




「おはよ。昨日はありがとうな。もう昨日までの俺はいないから。今日から新しい俺なのでよろしく」




渓斗の表情が少しだけ変わっていた。
なんか…またカッコよくなった?
ちょっと嫉妬しちゃうな。
でも良かった、元気になってくれて。




そして二人で瑠花を起こし、学校に向かった。




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