夜空に咲く僕たちの願い
満里奈があまりにも真剣な瞳でこちらを向くものだから、そこから目が離せないでいた。
過ぎていく光景がスローモーションとなる。
周りの人たちが見えなくなり、この世界には俺と満里奈しかいないように感じた。
「…え…」
静かに情けない声だけが漏れていく。
何を言われたのか分からなかった。
理解しようとしても満里奈の瞳がそうはさせてはくれない。
この瞳の中に隠れた真実は何だろうか。
まさかいきなりこんなこと言うなんておかしい。
どうして俺なんか好きになったのかな?
「なに言ってるんだよ…満里奈。冗談はやめな?」
「俊ちゃん…」
満里奈が俺の名前を呼んだときだった。
「お邪魔…みたいね」
この声を聞いた途端、身体中に寒気が走った。
まだ冬の名残か。
俺は確認をするため恐る恐る後ろを振り向く。
そこには腕を組んでこちらを睨み付ける瑠花がいた。