夜空に咲く僕たちの願い


俺、ぜんぜん分からないのですが…



スキップをしながら満里奈は教室に入っていった。
ぽつんと廊下に取り残された俺。


満里奈は一体何がしたかったのか?
未だに訳が分からない。


俺のことが好きなのは冗談で?冗談を言った理由が瑠花を素直にさせるためで?
そして誤解を早く解けだって?


さっぱりだ。
意味が分からない。




「こら、ジョー!早く教室に入りなさい」




そう言って名簿表で頭を叩いたのは担任の先生、仲川修平(なかがわ しゅうへい)だ。
まだ25歳の新米教師。
背が高く、整った顔のため女子生徒からかなりの人気だ。



「ちょっと、修平。その“ジョー”って呼ぶのやめてよ」




「だって矢吹って言ったらジョーだろ?何だよ悩みか?悩みなら俺が聞いてやるよ。」




「修平には分からないよ。俺の気持ちなんて」





「まぁ分からないだろうな。でも行動しなきゃ何も見えてこないってことは知ってるだろ?」




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