夜空に咲く僕たちの願い
1*星屑の下のピクニック


覚えているか?
あの言葉、あの場所、あの出来事。

俺の心に深く刻まれた愛情。


俺は忘れることなんて出来ないよ。


だって…お前たちは―…




ずっと願ってる。


お前たちが幸せであるようにと。

それが俺の願いだから。





…都心より少し外れた街。
都心までは電車を使って30分くらいで着く。
特急は停まらないが、快速は停まる。
とても便利な街だ。
この街は都心と雰囲気が違う。
まず人はそれほど多くない。
ファッションビルなんて建っていないし、百貨店すらない。
目立つものすらないこの街を見た人は「まさかこんな殺風景の街があるなんて」と言葉を溢すだろう。


でもそんな街が大好きなんだ。

だって俺の生まれた街なのだから。


あの日のことはずっと忘れないだろう。


特別な日だった。
真っ暗な空に浮かぶ星たち。
それに向かって願い事をする俺たち。



…始まりは突然で。



「…流れ星の意味って知ってるか?」




渓斗(けいと)が突然言ったこの言葉だった。






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