夜空に咲く僕たちの願い



昨日からこのモヤモヤが消えてくれない。
冬の青空を容赦なく覆う雪雲のように俺の心はそれと類似していた。



…ピーンポーン。
すると突然インターホンが鳴る。
母さんは夜勤で帰ってくるのが12時頃だと置き手紙に書いてあった。
きっと同僚とランチをするのだろう。
週に一度はそんな日がある。


じゃあインターホンを押すのは他に誰がいる?
宅配便?宅配便にしては仕事が早いな。

じゃあ…誰だ?もしかして強盗?


俺はふと見た星形の掛け時計を見て自分のおかれている状況を把握した。


時計は瑠花を起こしに行く時間をとっくに過ぎていた。
慌てて携帯を取ると数件のメール、そして着信履歴が残っていた。

それは全て瑠花からのもので、文面から怒りが伝わってくる。



「…やっば」



この時点で行く気を無くしていたのは言うまでもない。
俺はゆっくり玄関まで行き、そっとドアを開けた。


やはりそこには想像してた通り、怒りを露にする瑠花がいた。



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