夜空に咲く僕たちの願い
そういえば店に来たとき、翔太の表情が強ばっていたのを、俺は気にしないフリをしていた。この時理由を聞いていたら、未来はどのように変わっていたのだろう。
「でも翔太…宿泊代…安くないんだぞ。そんな簡単に貸していいのかよ」
矛盾な発言ばかり繰り返す俺に翔太は呆れて笑っていた。
「僕が嫌だって言ったらどうするつもりだったの?強盗でもするつもり?僕は友達にそんな悪の手に染まって欲しくないから。お金のことは心配しないでよ。返すのは何年経ってもいいし、気長に待つよ。今大事なのは瑠花ちゃんと過ごすこと…でしょ?」
翔太の温かい言葉に胸が凍みた。
今カフェオレを飲んでもこいつは役に立たない。
この言葉があれば十分だった。
「……翔太…」
「それに、俊介くんと瑠花ちゃんの想い出のためなら値段なんて関係ないしね。僕は俊介くんと瑠花ちゃんが幸せになってくれればいいんだ。」