夜空に咲く僕たちの願い


どうしてこんなにも他人の恋を応援できるのだろう。
俺が逆の立場だったら?
きっとこう言うさ。
「別に来年でも再来年でもいいだろ」って。
それは未来を保証されている恋人たちで。

俺たちの未来は残酷なものだった。
でもこう言える。
残酷だったけれど他の誰よりも美しかった、と。




「ありがとう、翔太。恩にきるよ」




「照れること言わないでって。お父さんに予約してもらうように伝えておくよ。出発は24日の夕方でいいかな?」




「マジでありがとう!!頼みます!!あっあと瑠花には…」




「秘密だよね、分かったよ。」



笑顔で翔太を見ると翔太も笑ってくれた。
ほっと肩を撫で下ろす。
これで胸の中にあった悩みの塊が減ったよ。
俺はそこであることをまた思い出した。




「そういえば、この辺りに病院ってあるか?」




翔太に尋ねると、しばらく考える表情を見せてこちらを向いた。




「あっ近くに総合病院があるじゃん。そんな遠くないよ。近くのバス停から乗ればそのまま行けると思う。」





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