夜空に咲く僕たちの願い


ありがとうな、渓斗。
俺に気を使ってくれたんだろ?

瑠花には言えないよ。
もう少し自分に自信が持てたら言うから。



「瑠花はちゃんと考えてきたよ。叶うか分からないけど願い事するんだ!!」



「ふーん、みんなの願い叶うといいね。ほら俊介、早く行って。ここ登ったらすぐ着くから」



「あ、うん」




何だろう、このざわめき。
瑠花は何を願うのかな?
もし瑠花に好きな人がいたら、その人との関係を望むのではないだろうか。

そんなの…嫌だよ。
瑠花には俺の傍にずっといて欲しい。



「着いたよ!」



坂道を登り終わるとそこには街一面が広がっていた。
そこまで高くはないけれど、もともと低い土地になっていた俺たちの街は少し登っただけで一望できるのだ。

こんな景色初めてだった。
街の灯りが空の星と似ていた。キラキラと輝く光が俺の瞳に溶け込んだ。

言葉を失い生唾を飲む。



「こんな場所あったんだ…」



「きれー…」




「俺もこの場所を見つけたとき言葉を失ったよ。あそこにブランコ3つあるから座ろう!」




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