夜空に咲く僕たちの願い


クリスマスイヴ。
事件は起こった。
予想なんてしていなくて、あまりにも突然すぎておかしくなりそうだった。


今日は最高な日になると思っていた。
昨日瑠花にこう言った。




「クリスマスイヴの日、夕方4時に駅に集合な。旅行に行こう。」



そう告げると瑠花は赤面をして「うん」と小さく頷いた。
それを見たら俺まで恥ずかしくなって二人して顔を真っ赤に染めた。
馬鹿みたいって思うかもしれないけれど、これが俺たちの幸せなのだから関係ないだろ?
羨ましい?当たり前だろ。
だってこんなにも世界が輝いているから。


これからも―…ずっと。




『もしもし?俊介くん?僕、翔太。今マンションの下まで来てるんだけど、チケット持ってきたよ』




「わざわざ悪いな。今下に行くな」




昼すぎ、翔太から電話が掛かってきた。
わざわざ宿泊チケットを持ってきてくれたらしい。
俺はダウンコートを羽織り、外へ飛び出した。





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