夜空に咲く僕たちの願い
「はい、さようなら」なんてできるかよ。
解決できることはなるべく早く解決したい。
俺は翔太の腕を掴み、歩みを止めた。
翔太はこちらには振り返らず、その場でストップをする。
「お前さ、何か隠してることあるだろ?」
「…なっなんのこと?そんなのないよ」
嘘だろ?翔太は素直すぎるから嘘なんか似合わない。
ほらだって、体が小刻みに震えている。
俺が怒っているのだと勘違いしたのだろうか。
でもこの震え方は異常だった。何かに脅えるような。
それか何かに悲しんでいるような。
「俊介くん、お願いがあるんだ。」
翔太はゆっくりとこちらを振り返り、指にはめられたケロリンを取り俺に差し出した。
翔太の行動に俺は首を傾げる。
「ケロリンに誓ってよ。」
「……は?なにを?」
ケロリンから翔太の瞳に視線をずらすと、その瞳は少し潤んでいた。
その揺らぐ瞳は一体何を意味するのか…分からなかった。