夜空に咲く僕たちの願い


「目にゴミが入っただけ」と言われるかもしれないし、ここはあえて何も聞かないでおこう。
そして翔太は言葉を並べていく。




「これからも瑠花ちゃんをずっと好きでいるって誓って。誓うならケロリンを受け取って肌身離さず持ってて。」




いきなり言われて戸惑ってしまう。
なぜ翔太はこんなことを言ったのだろう。
強い風が吹き抜けた。
温かい体温を奪っていった。
それは一瞬の出来事で。
瞬きをするのを忘れるくらいの速さだった。



ケロリンがこちらを見ている。



「もし自分の気持ちに見失いそうだったらケロリンを見て思い出して。約束できる?誓える?」



ケロリンとしばらく見つめ合った。
次第にケロリンに愛着が湧く。翔太がケロリンをカワイイと言った理由が少しだけ分かった気がした。


俺はゆっくりとそれを受け取る。



見失わない。
この気持ちは永遠に―…


約束する。誓うよ。






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