夜空に咲く僕たちの願い
それは確定的だった。
俺の父親はまだ生きている。
そしてその父親は…瑠花のお父さんだ。
きっとそうだ。
いや間違いないだろう。
母さんはこのことを知られたくなくて俺の血液型検査をしなかったのだ。
そして「瑠花ちゃんと何もないわよね?」と頻繁に聞いてきた理由も辻褄が合う。
なぜならば、俺と瑠花は―…
その先は言いたくなかった。
出ない涙が一気に出そうだったから。
だがその婚姻届に疑問を抱く。なぜ母さんは未だにそれを持っているのか。
そして森山遊心の印鑑が押してなかったのだった。
母さんのは綺麗に押してあったが、森山遊心のところは無かった。
複雑な糸が絡まっているようだ。
俺は立ち上がり沸々と込み上げる怒りを感じながら母さんと七海さんが喋っている玄関に向かう。
どうしてずっと黙っていたの?早く教えてくれていたら俺は瑠花を好きになんてならなかったのに。