夜空に咲く僕たちの願い


その横顔が今まで見てきたどんな姿より綺麗で…
思わず見とれてしまう。

やっぱり俺は瑠花が好きだ。
誰にも負けないくらい大好きだ。

母さんに言われた言葉が頭をよぎっていく。
「瑠花ちゃんのこと好きじゃないわよね?」
俺は嘘をついた。
本当は大好きなのに。
でも母さんはそんな嘘に「良かった」と言った。

もしかしたら母さんは瑠花を好んでいないのかもしれない。
だけど母さんなら…応援してくれると思っていたのに。


行き場のない想いが浮遊する。きっとこのままどこにも辿り着けずに終わってしまうんだろうな。



「俊介、聞いてるか?牛飼い座をずっと真っ直ぐのばしていくと白い星があるの分かる?」



渓斗の声が耳の中に入ってくる。
俺は慌てて渓斗の言われた通りに星を辿った。
行き着いた場所には白い星が輝いていた。



「この星がおとめ座のスピカ。そしてもう少し先にある星がしし座のデネボラ。この三つを繋げると三角形になるだろ?これが春の大三角」





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