夜空に咲く僕たちの願い
2*眠り姫とヤキモチ執事
あの日、俺は星に願い事をした。
叶うか分からない願い事。
どうしても瑠花のウェディングドレス姿を見たいんだ。
きっと綺麗なんだろうな。
その隣に俺がいられますように―…
そう願ってから何年か月日が経った。
…俺は不思議な力を持っていると思う。
例えば今日の天気を当てたり、例えば今日の夕飯メニューを当てたり。
例えば…朝の訪れに気づいてしまったり。
まだ夢の中なのに、体は起きてしまっている。
脳だけが取り残されて、あとの臓器は起きているのだ。
それって不思議だよね。
まだ寝たい!と思っているのに、体は動いているのだから。
「俊介、起きてる?」
遠くから母さんの声が聞こえてくる。
起きてますよ、体だけは。
「今日から高校生なんだからちゃんとしなさいよ!」
近づく声。
布団を剥がされるまで…
3、2…1。
「起きなさい!!」
やっぱり俺には不思議な力が存在しているんだ。