夜空に咲く僕たちの願い
顔を洗い、昨日用意しておいた制服を着る。
黒の学ランだ。
中学のときも学ランだった。
まぁ色は紺色だったけれど。
また学ランか…なんて思ったりもしたがしょうがない。
あいつらがいるから。
俺が通う高校は隣駅にある公立高校。
電車と徒歩で行ける距離だ。
なぜこの高校を選んだかというと、渓斗と瑠花がここに行くと言ったから。
二人共その理由が「近いから」らしい。
二人は余裕で合格したけれど俺は必死になって勉強して合格をした。
受かったときは飛んで喜んだっけ…
瑠花の傍にいられるのなら幸せだった。
もしバラバラな高校になったとして、瑠花を惑わす男が現れたら俺は瑠花を守ってあげられない。
そんなの嫌だ。
瑠花を守るのはこの俺だ。
制服を着たら次は髪の毛だ。
ぴょん、と跳ねた髪の毛をヘアーアイロンを使い整えていく。
最近お洒落というか身だしなみには気をつけている。
瑠花にふさわしい人間になりたくて。