夜空に咲く僕たちの願い
翔太は目に涙を溜めながら再び「ごめん」と言った。
「そういえばあの日の帰り、白石さんから星のストラップを貰ったんだ。お客様全員に渡してるって言ってたやつ。あれありがとう」
あのストラップは携帯から外してしまったけれど今も部屋に飾ってある。
あれを見る度あの日の夜のことが鮮明に思い出されるのだ。
すると翔太は首を傾げて「何のこと?」と言った。
「え?あの星のストラップ、翔太も持ってるだろ?」
「持ってないよ?お客様に配られるのは確かアロマオイルだったと思うけど…」
翔太の言葉を聞いて腑に落ちない俺がいた。
…どういう…ことだ?
このモヤモヤが晴れるのは俺の願いが叶うときだった―…。
…いつまでもキミのいる夢の中にいたい。
目を開けてしまったらキミのいない世界になってしまうから。
遠くからアラーム音が聞こえてくる。
それにこちらに近づく足音も…
「俊介!いい加減に起きなさい!渓ちゃん起こしに行く時間でしょ!!」
今日の朝はあの日とよく似ていた。
そう、入学式のあの日と。