夜空に咲く僕たちの願い
だけど今日は入学式ではない。なぜならば今日は卒業式だからだ。
時間はあっという間に過ぎていて、時代についていけないのは俺だけだった。
俺は半開きの目を擦り、身支度をする。
今日でこの制服を着るのは最後だ。
長かったような短かったような、何とも言えないまとまりのない締めに嫌気かさした。
春からは俺は就職をする。
就職先はバイトをしていたプラネタリウムだ。
館長からの勧めで入社した。
仕事の量はあまりないため楽と言えば楽だ。
仕事の合間に天体について勉強をしようと思っていた。
渓斗はT大の天文学部に進む。翔太も渓斗と同じ大学だ。
二人共本格的に勉強するようだ。
満里奈と修平は結婚すると言っていた。
幸せで何より。
そして瑠花は都内の女子大へ行くと聞いた。
あの日から瑠花とは幼なじみに戻り何も無かったかのように接した。
それは演技だったかもしれないが、口を聞いてくれるだけで、傍にいられるだけで幸せだった。