夜空に咲く僕たちの願い
「渓斗がこれを…?」
渓斗は壁にもたれて腕組みをした。
「うん、そう。俺が白石さんに渡したんだ。俊介と瑠花に渡してくれって」
「何で…そんなこと…」
「お前たちがずっと幸せでいて欲しかったに決まってんだろ?パワーストーンまで選んで作ってもらった一点物だぞ。」
「渓斗……」
「まぁでも俺は俊介の出した答えに何も言わないって約束してたし、返って邪魔だったかな」
小さく笑みを浮かべる渓斗。
そんなに俺たちの幸せを願ってくれていたなんて…
ヤバい、泣き虫な俺がまた現れる。
「…ありがとな、渓斗」
「今日、けじめをつけるのは俊介なんだからな?この式が終わったら瑠花を忘れるんだ。俊介が選ぶ道に俺は何も言わない。素直に行動しろよ」
俺は渓斗の目を見て強く頷いた。
今日で瑠花は人のものになる。
誓いのキスが終わったら諦めよう。
もうキミを想ったりしない。