夜空に咲く僕たちの願い
瑠花とクリスマスの日に別れてからもずっと俺は瑠花が好きだった。
日に日に瑠花を好きになっていた。
別れても幼なじみの関係は続いていたため周囲は俺たちはまだ続いていると思っていたらしい。
だからむやみに瑠花に手を出してくる男性はいなかった。
だけどいざ結婚すると聞いたと喜んだが心の中では泣いていた。
瑠花をもう見ることはなくなる。
瑠花を諦めなくてはならない。そんな思いたちと結婚式の日まで葛藤していた。
だけどこれが瑠花の選んだ道というなら俺は心から祝福をするよ。
「瑠花んとこ挨拶しに行こうか」
翔太も合流し、新婦の控え室に向かった。
そこには純白のドレスを身に纏った瑠花が座っていた。
それは夢に見たのと同じで…
俺がずっと見たかった姿だった。
「今日は来てくれてありがとう。どう?似合う?」
くるりとターンをし、にこっと笑う瑠花。
硬直したままの俺はその綺麗さに釘付けとなっていた。
「綺麗だよ、瑠花。馬子にも衣装」
「ちょっと渓斗。なによそれ」
「瑠花ちゃん、すごい似合う!綺麗綺麗!ね、俊介くん?」
フリーズする俺に瑠花が近寄ってきた。
そして俺を見上げてこう言ったのだった。
「…あの時あたしはすべてを捨てる覚悟はできていたの。でも俊介が幸せじゃないのなら、あたしも幸せじゃないの」
そう言ってくるりと背中を向けて椅子に座った瑠花。
その言葉に俺は理解出来なかったんだ。