夜空に咲く僕たちの願い
渓斗の本を読む姿を見るといつも息が詰まる。
渓斗はクォーター。
父親がカナダ人とのハーフで、母親が日本人。
どっちかと言ったら外人顔だ。よく間違われると言って、自分の顔があまり好きではないらしい。
俺は羨ましいけどな。
だって、誰もが見とれてしまうくらい綺麗な顔だから。
「渓斗、何だよ?こんなとこに呼び出して」
俺はランドセルを机の上に置き、渓斗の前に座った。
俺の目を真っ直ぐ見つめながら言った、渓斗の言葉が頭の中から離れない。
「…俊介、流れ星の意味知ってるか?」
ぱたんと閉じられた本。
そのタイトルは“天体観測”
彼は目を輝かせる。
夕暮れのせいなのか。
それとも何かが彼を夢中にさせたのか。
「…意味なんかあんの?」
きっと違うな。
渓斗の話はテストのことでも、あいつを好きなことでもないな。
そう目を見て確信した。
「流れ星って、誰かの願いが叶う頃に流れるんだって!!」