夜空に咲く僕たちの願い
3*新たな敵と新たな恋?


誰か俺を救ってよ。
救ってくれてもどうせ「惨めだ」なんて嘲笑うのでしょう?
そしたら俺はもっと惨めだ。

瑠花と大声を出して喧嘩したのは中学の入学式のとき以来だ。その時もこういうような内容で喧嘩をした。

成長してないのは俺じゃないか。
もっと広い心でいたいのに何故出来ないのだろう。


靴を校内シューズに履き替えて入学式の会場である体育館に向かう。
ごった返す人々。
在校生である2、3年生は入学式には参加をしない。
ここにいるのは1年生だ。

クラスはF組まである。
規模がやはり中学より大きく感じた。
自分のクラスのB組の場所まで行き、パイプ椅子の上に置かれた名前プレートを確認していく。



「…矢吹…俊介」




きっと後ろのあたりだろう。
ヤ行は後ろから数えた方が早いから。



すると突然肩を叩かれた。
俺はビックリし後ろを振り向く。




「渓斗…」




「俊介、お前さっき俺に悩みなんてないとか言ったよな?」




真っ直ぐ見つめる渓斗の目が怖かった。





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