夜空に咲く僕たちの願い
満面の笑みで渓斗は俺を見つめる。
グレーの瞳に吸い込まれていく。
俺は別に星なんかどうでも良かった。
天体観測なんかしたことなかったし、したいとも思わなかった。
でも今は違う。
星を見ることがこんなにも安らぐ行為だと知ったから。
それと流れ星の意味も…知れたから。
「…わ、分かった。行くよ。行かないって言っても渓斗は連れていくだろ?」
「俊介が話が通じる奴で良かったよ。じゃあさ、今日の夜…」
その時だった。
俺が力いっぱい入れてもなかなか開かなかったドアを簡単に開けてしまう人が現れたのは。
その音を聞いた俺たちはびくりと体を動かし、硬直する。
後ろを振り向かないように。
息をゆっくりしながら、相手が話すのを待った。
「ちょっと!!二人してなにコソコソ話してんのよ!!」
…この声は…。
「あーあ。バレちゃった。あいつだけには秘密にしておきたかったのに」
残念そうに言う渓斗。
図書館にいたのは、あいつだった。
「…瑠花!?(るか)」