夜空に咲く僕たちの願い
帰る時間まで星の話に夢中になった。
その話がきっかけとなり、翔太の夢はいろんな国から星を観察することらしい。
一番見たいのがオーロラと言っていた。
それを自分の目で見て、肌で感じ、たくさんの人に伝えたいみたいだ。
たったひとつの話がこうして人の心を揺さぶり夢へと発展してくれたのだ。
この言葉を深く刻み、日々生きていく。
そして学校は終わり帰る時間。翔太と別れ、俺は渓斗と教室を出ていく。
「瑠花は迎えに行かなくていいのか?」
「あいつとはもう帰らないよ。」
一言伝えると渓斗は黙ったままそれ以上何も言わなかった。
俺たちの喧嘩に巻き込んじゃってごめんな。
駅に着き改札口を通る。
すると渓斗は俺のあとには続かなかった。
後ろを振り向くと立ち止まっている渓斗がいた。
「どうかしたか?」
「俺、寄るとこあってさ。先に帰ってて?じゃあな」