夜空に咲く僕たちの願い
俺は急いでそのウサギから目を離した。
今にでもウサギのおちょぼ口に牙が生えて瑠花と同じ表情をしそうだったから。
「だって瑠花、秘密って言ってもすぐ誰かに言うじゃん」
渓斗が瑠花を睨み付けてこう言う。
ちょっとやめてくれよ。
こういう空気にするのはいいけど元に戻すのはいつも俺なんだぞ?
もうちょっと俺の気持ち考えてくれよ。
「秘密って言ってくれれば誰にも言わないもん!瑠花だって知りたい!」
無機になって言う瑠花。
それに対して何も言わない渓斗。
二人を交互に見て俺はどうしようか考えた。
この空気をどうやって直そうか。
やっぱりここは…
「じゃあさ、契約書書けばいいんじゃない?瑠花も俺も渓斗も。“このことは誰にも言いません”ってさ。」
「誰かがもし破ったら?」
渓斗が本を見ながら言う。
その言葉が深く胸に突き刺さった。
「破ったら、絶交かな。」
もし、俺たちがお互いを大事に思っているのならこの約束を守るはずだ。
俺は渓斗と瑠花を信じていた。
だって俺はお前たちが大事だったから。