夜空に咲く僕たちの願い


静かにこう言う瑠花の表情は今にも泣きそうな顔だった。
こんな表情をさせているのはこの俺だ。

やっぱり俺は馬鹿だよ。



「…俺も言い過ぎた…俺が悪かったんだよ。瑠花は悪くない」



「ううん…瑠花が自分のことしか考えてなかったからだよ。許してくれる?」




そんな上目遣いで言われたら許すに決まってるだろ。
お前はいつでも可愛いお姫様なんだから。



「これ、ありがとうな。食べたかったんだ。」



そう言ってチョコレート菓子を開ける俺。
そして一口口に入れた。




「朝からお菓子なんて太るよ?」




「大丈夫大丈夫。俺太んないから。うん、美味い!そういえば渓斗起こしに行かなきゃ」



食べ掛けのお菓子を袋に入れ、渓斗の家のインターホンを押そうとしたとき、ゆっくりとドアが開いた。




「仲直りできたか?」




ドアの間からひょこっと顔を見せたのは学ラン姿の渓斗だった。
もしかして聞いてた?




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