夜空に咲く僕たちの願い
なんだよ、それ。
聞いてたなら出てこいよ。
「渓斗いつから聞いてたわけ?」
「全部聞こえてたよ。ここのマンション、ドア薄いから丸聞こえ」
こうやって笑いながら言うものだからそれ以上何も言えなかった。
3人で笑うしかなかった。
たちまち広がる笑い声。
いつもの俺たちに戻った瞬間だった。
「学校行こっか。そろそろ行く時間だろ?」
「そうだね。今日は電車の中満員じゃないといいなぁ」
「たぶん満員だよ。それも学校生活の一つの楽しみってことで!」
俺たち三人は大きく一歩を踏み出す。
やっぱり俺は瑠花と渓斗がいないとダメみたいだ。
だからずっと一緒にいなきゃいけない。
きっと神様がそうやって俺たちを結んでくれているのだと思う。
それは俺の勝手な妄想だったのでしょうか。
聞いていますか、神様。
あなたに聞いているのです。