夜空に咲く僕たちの願い
答える気は無さそうですね。
あなたは今そこから腹を抱えて笑っているのでしょうね。
俺の運命を知っていたのだから。
やはり電車の中は満員だった。けれど昨日よりはマシだった気がする。
瑠花が俺にもたれ掛かる度にどれだけ心臓が爆発したことか。心臓がそのうち耐えられなくなるのではないかと不安だ。
聞こえてたかな、俺の心臓の音。
それとリンゴのように真っ赤な顔。
駅を出て高校に繋がる道を歩いているとき、カバンに入れたあるものの存在を思い出した。
それは昨日見ていた写真だ。
俺たちと一緒に写る男の子が誰だか気になり、瑠花と渓斗に聞こうと思ったのだ。
「なぁ、この子覚えてるか?」
立ち止まり写真を取り出す。
目の前を歩く二人にこう投げ掛けてそれを見せた。
「えっと…誰だっけ?」
首を傾げて瑠花は言う。
やはりずいぶん昔のことだから覚えていないか。
諦めていた頃だった…