夜空に咲く僕たちの願い


この写真を見つけたせいで余計なことまで思い出してしまった。
やめよ、ヤキモチ妬くだけだ。



「まぁいっか、思い出せないし!」




俺はそう言ってカバンの中にその写真をしまい校門をくぐった。
今日は昨日の入学式のときのような人混みではなかった。
瑠花を見失わずに済むから安心していた時…彼は現れた。




「…瑠花ちゃん?」




それはあまりにも急すぎて。
神様が呼び寄せたのだろうか。
俺がヤキモチを妬いたから。



「えっ?」



そのハスキーボイスで俺たちの動きは阻止された。
くるりと後ろを向くと、身長180センチぐらいだろうか、黒縁メガネに、黒い短髪、崩した制服を着たある人が立っていた。

その姿はとても大人っぽく、俺がこうなりたいという姿に近い人物像だった。



思わず息が止まってしまう。




あなたは誰ですか?





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