夜空に咲く僕たちの願い


見たことのない顔だ。
入学式にいたっけ?
いや…こんな高い身長だったら目立つはずだよな…と頭の中で考えているとその人は一歩瑠花に近寄った。



「…俺のこと覚えてる?」




笑った顔も知的でかっこいい。ますます気に入らない。
気安く瑠花に話しかけるなよ。瑠花も瑠花だよ、どうして見つめてんだよ。
かっこいいなら誰でもいいのか?

ダメだ…こんなこと言ったらまた喧嘩になる。
せっかく仲直りしたのにまた喧嘩したら意味が無くなってしまう。


ここは…我慢だ。




「えっと…誰でしたっけ?」




瑠花は頭を掻きながら思い出すフリをするがどうやら無理だったようだ。
俺の知り合いでもないし、一体誰なのだろう?




「覚えてないか。それはショック…だけどしょうがないよね。ずっと前のことだから…」




目尻を細めて笑う彼にある人の残像が重なった。


この笑顔…どこかで…






「…清水雅也…」




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