白龍
バンッッ




ドアが急に開いたから私の顔にタバコを押し付けようとしていた日向の手が止まった。




「舞大丈夫か?」




ドアの方で聞こえた声は今一番聞きたかった人の声。




「れ・・・・・ん?」




とても小さな声だったから蓮に聞こえたかは分かんない。




でも次の瞬間、




冷え切っていた私の体をとても暖かく、強く蓮が抱きしめてくれた。




私は今まで我慢していた何かがプツッと切れ、小さい子供のように泣いた。








小さい時パパに言われた。




これからはもう泣いちゃいけない。




強くなるんだと。
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