守りたい。

有咲は話し始めた。





中学校の時ね、病気がちだったのね。そのせいもあって友達が居なくって。だけど病み上がりの日に教室に勇気を出して行ってみたら、なんかすっごく色々言われたの。『病原菌が来た』とか『きもい死ね』とか一日中言われた。次の日やっぱり教室には行けなくて、
昇降口で泣いてたら、保健室の先生に連れられたの。それから保健室登校が始まったの。

ずっと保健室登校を続けたけどある日やっぱり教室に行ってみようと思ったんだ。教室に行ったけど何もされなかった。避けられはしたけど、暴力を振るわれたりはしなかった。
だけど給食の時に、シチューを食べていたら気分が悪くなったの。トイレに行こうとしたけど間に合わなかった。

その場で吐いちゃったの。

もう中学校になんてそれ以降行った事なかったよ。





「だからね、さっき気分悪くなったとき、その事思い出しちゃったの」





俺は、ずっと頷いてた。



そしていつの間にか、泣いていた・・・・-


「有咲。そんな事があったんだな」



有咲も泣いてた。

< 41 / 71 >

この作品をシェア

pagetop