ストロベリーよりも甘い恋
「あ、あの・・・。」
おずおずと手を上げて、樹が言った。
「え?何?もしかして、付き合いたいとか?」
一瞬だけドキッとした。
「あー・・。いえ、あの、チャイム・・・。」
その瞬間、チャイムが鳴った。
「ヤッベ!俺、教室に戻るわ!んじゃ!」
もう、一生来るな。
とは言えず・・・。
「ああ・・・。じゃぁな。」
教室から竜二が出て行ったあと、俺たちは思わず顔を合わせた。
「嵐のような人でしたね。」
樹が話しかけてきた。
答えるか迷ったけど・・・。
さっきまで竜二とめちゃくちゃ話してて、いきなり黙り込むとおかしいと思ったから、答えた。
「あー・・・。まぁ、な。」
「面白い人でした。」
小さくニコッと笑うと、えくぼができていた。
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