ストロベリーよりも甘い恋
「ねぇ、仁田君には好きな人とかいないんですか?」
・・・・・ズバッとくるねぇ。こいつ。
「好きなヤツとか、作った事ねぇし。」
「彼女一筋っぽいけど・・・。」
俺は驚いて樹を見た。
でも、もっと驚いたことがあった。
「すご~~く彼女を大切にしそうです!」
・・・・。
「あの・・・。」
俺は、樹の目をみて言った。
「ナンですか?」
「顔、近いっす。」
そう。
樹との顔がメチャメチャ近い。
「あ、そうですね。」
・・・。
「うん。だから、ちょっと下がってもらえます?」
さすがに、この俺でも恥ずかしい。
「仁田君って結構喋るじゃないですか。何で人前ではクールでいるんですか?」
イスに座りながら、樹が言った。
コイツ、俺に惚れないのか?
とか。
そんな事を思いながら言った。
「アイツらはいちいちうるせぇんだよ。そこまで気取らなくていいと思うんだけどな。」
樹は首を傾げた。
「皆、仁田君が好きなんですよ。だからアピールしているんです。仁田君、それに気づいてなかったんですか?」
そりゃぁ・・・。
俺だって気付いてるけど・・・。
俺はもっと純粋なほうがいいんだよなぁ・・・。
「ってか、何でさっきから敬語なわけ?」
俺が話を変えて樹に聞くと、樹はにひっと笑った。
「ノリ」
・・・・樹でもノリってするんだな。
そんな事に笑えて、コイツってすっげぇ面白いヤツだって思った。
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