ストロベリーよりも甘い恋
さっき座ってた人のきつい香水の匂いがまだ残っている。
「うぅ・・・。香水きついよぉ・・・。」
フッと思って、私は仁田君を見ていった。
これが、初めての会話。
「ねぇ、仁田君は、こんな香水の匂い、嫌じゃないの?」
仁田君は、ちょっとだけ驚いた顔をした。
でも、すぐにクールな顔に戻った。
「嫌に決まってる。」
へぇ・・・。
やっぱり嫌なんだ・・・。
「よく耐えられるね。私、もう死にそうなぐらい頭がグラグラしてるよ。」
仁田君は、小さな声で言った。
「悪かったな。」
ん?
悪かったな?
「何で?だって、仁田君の香水の匂いじゃないよ?何で仁田君が謝るの?」
仁田君は、またまた驚いた顔をして言った。
「は?だって、俺のせいで、女子が来るんじゃねぇか。それで・・・。」
「香水してるほうが悪いんだよ!!仁田君が謝る必要はないよ!!」
私はすぐに言った。
だって、事実だもん。
「え?あ、まぁ、そんな感じにしておいてくれ・・・。」
そう言って仁田君は、顔をうずめた。
「うん。分かった。そんな感じにしとく!」
私も、訳の分からない返事をして、勉強道具を取り出した。
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