俺story
双子のアネキ
「れんくぅん、八時だよ、遅刻するよぉ。」
・・・って、おもいっきし遅刻だよっ!!
・・・ってか、お前も遅刻だよっ。
この残念な人が、俺のアネキだ。アネキっつっても双子のアネキ。
一分一秒くらいの差でコイツがアネキ。
んで、俺は、青崎 恋次。名字が青崎で、名前が恋次。
「さっさと準備しろよ・・・。」
いけねえコイツ見てたら、テンションが下がってく・・・。
<チャリとばして十分後。>
「はぁ、超つかれた・・・。」
この言葉をはっして、振り返った瞬間、俺は心臓が止まるくらいびっくりした。
「アネキ・・・!?」
おいおい、まじかよ。
「アッ、アネキ・・・、どうやってきた。」
俺の後ろに、チャリに乗っていないアネキが笑顔で立っていた。
そして、笑顔で
「ん~?はしってきたぁ。」
うそだろ。現実を見ろ俺。アネキ、たしか50m走14秒・・・。
いや、アネキならありえる。
中2で14秒とるのもすごいが・・・、
こんなことを考えていると、ふと、ある思い出が、蘇った。
・・・俺がたしか小2の時の話だ。
読書の時間まであと15分をきった時、いきなりアネキが、
「給食エプロン忘れたぁ。」と言い、席を立った。
「おいっ待て・・・。」
と言う俺を差し置きアネキは、笑顔で給食エプロンをとりにいった。
たしか、あのときも、アネキは驚異的に足が遅く、
正確ではないが30秒は軽くこしていた。
なのに、なのにアネキは、往復で30分はある道のりを、
10分くらいで帰ってきた・・・。
そして、のんきに「ねずみくんのチョッキ」
を読み始めた。
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