眼鏡ッ仔と女装王子☆


AM7:30 家を出る


何だかんだ言いながら、結局麗夜は着いてくる…

「後で“麗夜ごめんね…”って泣き付かれても、家事に集中出来ないから一緒に行って上げる!仕事も最近行ってないの社長が母さんにチクったから行くよ!!」


嬉しい?って最後に女神の用な笑顔で言うから適当に返事しといた


けど…
麗夜と一緒に学校行くのすごく嫌だ…


だってさ、
今は満員電車の筈なのに変装を一切しない麗夜は席を譲って貰って長い足を組んで座ってるし

そんな麗夜を少し離れた所から見て皆、“カッコイイ”とか“本物だ!”とか…言ってる

なのに話題の中心人物は、


「それでさ…てか、冷華聞いてる?」


回りなんか気にせず、麗夜によって無理矢理 横に座らされた私はウザい位に話し掛けられてる…


そのお陰で
“何!?あのブス!!”とか“私より地味なくせに何で!!”って聞こえてくる


余り気にしな様にしてるけど…メンタルめっちゃ弱い私は結構ギリ…


でも
平気な顔しないと
今より、もっと大変な事になる…


「全部聞こえてるしッ!!てかさ、性格も顔もブスとか残念すぎ!!」


だめだった…悪魔がわざと大きな声で言うから…
一斉に私に注がれる、鋭い視線…
最高にキマズイ雰囲気…



…限界。


「…私、隣の車両行くね」


「…ッ!?
なんで??」


なんでって、そんなに驚かなくっても…
てか、説明したところで、自分中心で考えるこの人には、とーてい理解出来ない…


「…1人が好きだから、何か落ち着かなくて…」

あながち嘘じゃない

「…むッ!もしかして、最近一緒に行けなかったの根にもってんの??」


わざとらしくほっぺを膨らまして、上目ぎみに言って来たから


“根にもってないし、その顔まぢキモい!ぶりっこ!!”


って言いそうになったけど、ちょうど降りる駅に着いたから無視して先に改札に向かった



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