姫様にkiss



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優姫。今日はとても素晴らしかったわ。お母さん、ものすごく楽しかった。



貴方が私達の知らぬ間に、あそこまで立派になっているとは、正直驚いたのよ。



朔真君から聞いて、初めてお前の寂しかった想いがやっとわかった気がする。



あの時はすまなかったな。



あの時は仕事が山場を迎えていて、とても忙しかったのは事実だ。でも、私が倒れたのはお前のせいじゃない。



だから、責任を感じることはないんだよ。



これからはなるべく、学校の行事には顔を出したいと思っている。



優姫も遠慮せずに学校行事は教えてくれ。



もし、教えてくれなかったら調べて押し掛けちゃうからな♪





それと、大事なことを言い忘れていたんだ。



私が昼間言ったことだけれど………あれは、朔真君に伝えてほしいと頼まれたものなんだ。



『姫様は責任感がお強い方ですので、力を入れすぎないように。…とお伝えいただけますか?』と言われ、つい自分事のように言ってしまったが、そのおかげで優姫もリラックスして楽しめたんじゃないか?



本当に朔真君が来て、お前は変わったと思う。



朔真君に礼を言っておかなくてはな。



では、また今度。



愛しの我が娘よ。



父、母より





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