姫様にkiss
「……ん…」
薄い暗闇の中で何か白い影が動いた。
「…起きちゃった…?」
「朔…真………帰ってたの?」
体を起こすと、朔真がニコッと優しく微笑んで、あたしの隣に腰かけた。
「少し前にね。」
「少し前って…一体、今何時?」
「4時27分。」
「4時27分ってまさかお前…徹夜したのか…?」
「さぁて…どうだったかな?」
覚えてないやと言いながら、眠そうに髪をくしゃっと掴んだ。
「誰かさんに“帰ってきたら、部屋に来るように”なんて言われちゃったら、待ってるしかないでしょ?」
「待たなくていい!待たなくていいから……一時間でもいいから寝ておけ…」
「俺、姫の為なら何日でも起きてるけど?」
「起きてなくていいから…!」
「そう?じゃあ、お言葉に甘えて。」
そう言うと、そのまま後ろに反り返った。
「…あ。寝込み襲わないでね。」
「誰が襲うかぁ…!!!」