姫様にkiss
「姫様、鮎坂様、お茶をお持ちいたしました。」
「あ、ありがと。」
「ねぇ〜姫お願いっ…!!」
「だから…無理だってば…」
「そこを何とか…」
大体、せっかく佳斗君がOKしてくれたんだから、二人きりで行ってくればいいのに。
お金が足りないとかじゃないんだし。
「じゃあ考えといてね!また来るから!」
「はいはい。じゃあね。」
半ば強引に帰らせると、ふう…とため息をついた。
行ってあげたいんだけど……ね
まずお母さんを説得するのが大変だし…
何よりあたし……
「姫、何の話してたの?」
「美咲が佳斗君と旅行に行きたいんだって。」
「それで、姫様も誘われてると。」
「そういうこと。」
「姫は行きたい?」
「まぁ…旅行なんてあんまり行ったことないし、行ってみたいけど…」
「じゃ、俺に任せて。姫は安心して行きなよ。」
「え…?本当?」
朔真は優しく微笑んで、あたしの頭を撫でた。
朔真がそういうなら…
行ってみようかな……?