姫様にkiss
海岸線を見つめながら、隣に座った朔真に頭を預ける。
「どうした?」
「…あたしも嬉しいよ。」
「何が?」
「何でもないっ!」
気づけよ馬鹿…
…あたしだって、朔真と一緒に来れて嬉しいんだってこと。
普段なら言えないけど、今日だけは素直に言える気がした。
これも海のおかげかな……?
「優姫。」
ドキッ…
初めてちゃんと呼ばれた名前。
朔真の綺麗な瞳があたしを捕らえて離さない。
指が顎を持ち上げた。
「キス、したい。」
「な…?!」
「だめ…かな?」
だめっていうか…
だめじゃないけど…
や、やっぱりだめ……
そんなこと言う間もなく、唇を塞がれた。
「あ…んン……ゃあ…」