姫様にkiss



「ところで、姫は何でストーカーなんかしてたわけ?」
「ス、ストーカーなんかしてないっ…!朔真がナンパされないか心配だっただけ!!」
「へぇ…?」



な、何よ…



なんかめちゃくちゃ怪しげなんだけど…



「さ、朔真は何で怒ってたわけ…?!」



咄嗟に話をずらす。



朔真はムス…っとつまらなさそうに前を向いた。



「…聞こえなかったの?」
「何が?」
「ビーチにいた男達の声。」



声…?



なんか言ってた?



「姫のこと話してたんだよ。」



悔しそうに下唇を噛んで、朔真はそう呟いた。



その言葉が朔真には悪いけど、すっごく嬉しかった。



朔真が嫉妬してくれたんだって分かったから。



あたしと同じ気持ちだったんだってわかって、すごく嬉しかった。








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