姫様にkiss
「姫はあの子の恋を応援しに来たんだろ?だったら、二人きりにしてあげるのが一番じゃん。」
「…あ。」
そっか。
そういう考えもあったのか。
「…それに俺。どんだけお預けくらってればいいわけ?」
「う"」
そんなことを言った気も…
睨む朔真と目を合わせないようにして、苦笑いをした。
ちょうどその時
プルルルル──♪
「で、電話…」
出てもいいかとだめ押しで聞くと、案外すんなり朔真は上から退いてくれた。
…その代わり座った状態で、後ろから腰に手を回される体勢になったのだけれど。
「…もしもし?」
「姫ぇ〜…」
電話口からは今にも泣きそうな美咲の声が聞こえてくる。