姫様にkiss



プルルルル──♪



ん?



また電話?



携帯を開いて、画面を確認したけれど、いつもの待ち受け画面のままだった。



ってことは…



「朔真のじゃない?」
「…はぁ……もしもし?」



電話の相手が誰なのかは分からない。



ただ朔真が顔を歪めて、面倒そうに話している。



女…?



悪い考えが脳裏をよぎった。




そんなあたしをみてなのか、安心させるように朔真は腕の力を強めた。



それだけで単純に嬉しかった。



…例え、言っていることが乙女には聞かせてはいけないような、内容だったとしても。





「ですから、こちらも夜は色々とやることがあるんです。」



ないない。



あたしは言ってないし。



「そちらも思ったままに行動されてみたらいかがですか?」



朔真が思ったままに行動したら、大変なことになるよ?



あたしの意見なんか無視だし。





……って流暢にツッコミ入れてる場合じゃなくて!








< 124 / 266 >

この作品をシェア

pagetop