姫様にkiss
「一応…」
自分で言っておきながら、恥ずかしくなって俯く。
朔真からのこういうちゃんとしたプレゼントって初めてだから、尚更だ。
やけにカップルぽくて、変に胸がむずがゆい。
手で握り締める。
I give me to you foever.
朔真らしいと言えば、朔真らしいかも…
「じゃあ、姫がにやけてる間に海行こうか〜」
「に、にやけてないし…!!」
「むきになるところがまた怪しい。」
美咲の指が額を叩く。
今日という日は
今日だけは
自分に素直になるべきなのかもしれない。
らしくない、そう言われれば確かにそうなんだけど。
結局、たった一言のお礼も言えなくて
美咲みたいに照れくさそうに、笑うことも出来なくて
そんなことで良いと
変わることは困難なのだと
それで諦めて
いつまでも意地を張っているなんて