姫様にkiss



「一応…」



自分で言っておきながら、恥ずかしくなって俯く。



朔真からのこういうちゃんとしたプレゼントって初めてだから、尚更だ。



やけにカップルぽくて、変に胸がむずがゆい。



手で握り締める。



I give me to you foever.



朔真らしいと言えば、朔真らしいかも…



「じゃあ、姫がにやけてる間に海行こうか〜」
「に、にやけてないし…!!」
「むきになるところがまた怪しい。」



美咲の指が額を叩く。



今日という日は



今日だけは



自分に素直になるべきなのかもしれない。



らしくない、そう言われれば確かにそうなんだけど。



結局、たった一言のお礼も言えなくて



美咲みたいに照れくさそうに、笑うことも出来なくて



そんなことで良いと



変わることは困難なのだと



それで諦めて



いつまでも意地を張っているなんて








< 129 / 266 >

この作品をシェア

pagetop